2013年12月05日

個人的には矛盾だとは思いませんが...→ レンジエクステンダー付きEV」という矛盾

 「一車両断!」の第5回は、米GM社が開発したプラグインハイブリッド車(PHEV)「Chevrolet Volt」に注目する(図1)。発売当初は苦戦していたVoltだが、最近、米国におけるPHEV/電気自動車(EV)分野で販売トップに立った。健闘している要因を考える。

 2010年に発売されたVoltの前評判は高かったにも関わらず、販売台数は伸び悩んだ。2012年にはLiイオン2次電池が発火する事故が起きて無償で回収したこともある。その際は生産拠点であるデトロイト市のハムトラムク工場の従業員を一時帰休させることで対応するなどし、メディアに話題を振りまいた。

 低空飛行していたVoltだが、最近になって状況が変わっている。2012年後半ごろに販売が上向き始め、米国における2013年1〜10月の販売台数は1万8782台に達した。日産自動車のEV「Leaf」が1万8078台、トヨタ自動車のPHEV「Prius PHV」が1万69台なので、米国におけるPHEV/EV分野でトップに立つ。

■EVか、それともPHEVか

 GM社はVoltを発売した後、仕様面で大きく手を入れたわけではない。それにも関わらず販売が伸びた要因はどこにあるのか。一つには販売価格を下げたことがある。Voltの発売当初の2011年モデルの価格は4万280ドル(MSRP:希望小売価格)だったが、2014年モデルでは3万4145ドル(同)に設定した。発売当初に比べて値ごろ感がある。ただし、安くしたことだけでは好調の要因を説明できない。他車に比べて突出して安いとは言えないためである。

 筆者が好調の理由として大きいとみるのが、「レンジエクステンダー(航続距離延長装置)付きEV」から「PHEV」へと車両の位置付けを変えたことだ。発売当初につまづいた理由とも関連する。

 本題に入る前にVoltの仕組みを簡単に紹介する。Voltにはエンジンとモータ2基、クラッチ3個、一組の遊星歯車機構がある。走行状況に応じて、モータによるEV走行とエンジン走行を使い分ける。エンジンの最高出力は63kW、駆動用モータは111kW、最大トルクが370N・m、発電機兼用モータは最高出力55kWである。駆動用モータの出力がエンジンの2倍近くに上るのが特徴的である。さらにLiイオン2次電池の容量は16.5kWh(2011年モデル以降)と大きい。モータも電池も大きく、EVとしての性格が強い電動車両と言えるだろう。

 Voltが当初につまづいた理由として、GM社がVoltを「レンジエクステンダー付きEV」と呼ぶカテゴリに位置付けることで、一部の消費者に誤解を与えてしまったことがあると考える。

 GM社は最初のころ、Voltの仕組みとして電池残量がなくなったときにガソリンエンジンを発電機として使って電池を充電すると解説していた。その際にはエンジンの力で走らないとも説明する。ところが発売するときになって高速走行時にエンジンの力を駆動力として使うと表明した。これが消費者に疑念を抱かせる。Voltは「“EV”ではなく、“PHEV”である」との指摘がなされ、GM社の説明には「ウソがある」と一部の人に思われてしまったのだ。

 GM社が「レンジエクステンダー付きEV」というカテゴリを使った背景には、先進性を打ち出す車両として、エンジンのイメージを消したかったことがあるように感じる。消費者にVoltを「EVの派生車」として見てほしいというマーケティング面での意向が働いたのだろう。それが裏目に出たと言える。

■“変身”遂げたVolt

 実際のところ、言葉の使い方はともかく、Voltの性格はGM社が伝えたい通り、EVとしての色合いが濃い車両だ。16.5kWhと大容量のLiイオン2次電池を搭載し、EV走行距離は38マイル(約60.8km:2013年モデル以降)に達する。日常の走行範囲のほとんどをモータで走れるので、「EV」を前面に出したい考えは分かる。

 しかもVoltの動力機構は凝りすぎな感はあるが、極めてまじめに考えられたシステムである。燃費性能を高める上で、エンジンの力を駆動力として使って走らせることには合理性がある。

 それでも一部の消費者に、「EVと謳っていながらエンジンの力を使うとはいかがなものか」と思われてしまった。筆者の考えでは、そもそも「レンジエクステンダー付きEV」という言葉が分かりにくいのだ。

 「レンジエクステンダー」を具体的な装置で言えば、「エンジン」である。本来は「エンジン付きEV」と呼ぶのがふさわしいが、これでは消費者に伝わらないだろう。エンジンを使わずにモータで動く車両――というのが一般的な消費者が考えるEVの定義だと思うからだ。「エンジン付きEV」というのは、なんだか矛盾した言葉が並んでいるように見える。

 それが原因かどうかは定かでないが、GM社はVoltを「シリーズ式のPHEV」と呼び直した。そして「EVではない車両」と位置付けたことで、かえって評価を高めている。

 最近各社がPHEVを投入したことで、消費者はPHEVに対して高い環境性能のイメージを持ち始めている。そんな消費者がPHEVの性能面で特に注目するのがEV走行距離である。Voltの場合、そのEV走行距離が他社のPHEVに比べて最も長い。Voltのそれは61km(EPA)で、トヨタ「Prius PHV」は26.4km(JC08モード)、Ford社「C-MAX Energi」は33.8km(EPA)、ホンダ「Accord Plug-In Hybrid」は36km(JC08モード)、三菱自動車「アウトランダーPHEV」は60.2km(JC08モード)である。

 つまり今のVoltは、従来の「分かりにくいEV」から「環境イメージが高いPHEVの中で、最も性能が高く見える車両」に“変身”を遂げているのだ。これが筆者の考えるVolt好調の最大の理由である。

■0.8が境界線か

 Voltに限らず、最近のPHEVでは新しい車両が発売されるたびにEV走行距離に注目が集まる。消費者とメーカーの間で、EV走行距離が長い車両が良い車両――となりつつあるように感じる。

 ではEV走行距離はどこまで延びるのか。

 PHEVはHEVとEVの間に位置する車両だが、EV走行距離を延ばせば延ばすほど、EVに近い車両になり、最後はEVとほとんど同じになる。それならEVとして造るのがよい。

 EV走行距離の限界を考える一つの手がかりとなるのが、ユニバーサルエネルギー研究所の堀雅夫氏が提唱するユーティリティファクターである(図2)。同指標は自動車ユーザーから得た走行パターンのデータから、1回当たりの平均走行距離の分布を求め、PHEVでEV走行できる距離がそのうちの何%に当たるかを示すものである。

z2.jpg
図2 日米のユーティリティファクター
横軸はEV走行距離。縦軸は全走行距離に対する外部充電電力による走行距離の割合。同じEV走行距離だと米国の場合、電力で走れる割合が下がる。(ユニバーサルエネルギー研究所の資料を基に日経Automotive Technologyが米国のデータを追加)


 ユーティリティファクターを見ると、Prius PHVの米国仕様はEV走行距離が17.7km(EPA)のため0.2。これに対してVoltは0.6と高い。なお、アウトランダーPHEVは日本仕様となるが0.7である。

 図2のユーティリティファクターの曲線で傾きが小さくなり始めるのが0.8の付近である。全走行距離の8割をEVで走行している状態で、ユーザーから見るとほとんどEVで走っていると思える車両だろう。0.8をEV走行距離に換算すると日本で約80km、米国で約120kmである。

 実は米国の約120kmという値は、米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)が2018年モデルから適用するZEV規制で実質的にEVとみなす値にほぼ等しい。CARBはPHEVに対して、10マイル(約16km)から80マイル(約129km)まではEV走行距離に応じてクレジットを変えるが、80マイル以降は変動しない。

 GM社は今後、Voltの改良に際して大幅にEV走行距離を延ばす考えのようである。筆者は80マイル程度まで延ばすとみる。そして各社のPHEVに対するEV走行距離の限界値もこの辺になるのではないだろうか(日本の場合は約80km)。

 仮に新型VoltのEV走行距離が80マイルまで延びると、現行VoltよりもさらにEVに近い車両になる。それでもGM社はVoltを「レンジエクステンダー付きEV」とはもう呼ばないだろう。

 最近、新しい「レンジエクステンダー付きEV」が登場した。ドイツBMW社の「i3」である。i3は純粋なEVモデル(航続距離160km)があるが、BMW社はオプションでエンジンを搭載した「レンジエクステンダー付きEV」を用意する。エンジン搭載モデルの航続距離は約300kmになる。

 BMW社はVoltが発売当初につまづいたことをどう見たのだろうか。筆者としては「レンジエクステンダー付きEV」ではなく、PHEVと位置付けて販売するほうが消費者に分かりやすいと思うのだが。

(引用:Tech On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131204/320300/

ちょっと長い記事ですが、全部引用しました。

問題あったら、ゴメンなさい!


「レンジエクステンダー」という言葉に対する違和感を

著者の個人的な感覚で記した記事のように見受けられます。

著者はこの方です。

和田 憲一郎=開発イノベーション コンサルタント、
エレクトリフィケーション コンサルティング代表


個人それぞれの感じ方があって良いと思います。

私の個人的な感覚としては、全く違和感がなく、

それどころか、PHEVの方が違和感があるように思えます。


PHEV : Plug-in Hybrid Electric Vehicle

「(PHV)プラグインハイブリッドカーとは

直接コンセントから充電できるタイプのハイブリッドカーである。」

(ウィキペディア「PHEV」より引用)


PHVなら理解できますが、PHEVとなると…

なぜ"Electric"を入れるのですかね?


Plug-in:プラグイン

「コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できる」

これはいいですね。


Hybrid:ハイブリッド

「2つ(またはそれ以上)の異質のものを組み合わせ一つの目的を成すもの」

エンジンとモーターという「異質のものを組み合わせ」

車輪駆動と言う「一つの目的を成すもの」

これもいいですね。


Electric Vehicle:電気自動車

ハイブリッドなのに「電気自動車」とは?

単なる「Vehicle:車両」なら分かります。

なぜ"Electric"が必要?


なので、正確には、

PHEV:プラグイン・ハイブリッド・電気自動車

ですね。

こちらの表現の方が矛盾しているようにも思えます。

個人的には「レンジエクステンダー付きEV」

つまり、「航続距離延長装置付き電気自動車」のほうが

しっくりきます。

駆動系が電気モーターだけの車両をEV(電気自動車)と呼ぶ、

個人的にはこのような理解をしています。


レンジエクステンダーは、

ガソリンエンジンでも燃料電池でも構いません。

とにかく、

プラグイン充電に代わり車両に搭載されて給電してくれるもの

であれば何でも構いません。


そう考えると、

Voltはエンジンを駆動系に使っているのでPHVですね。


EVはもともとプラグインなので、

PHEVという表現は、やはり、しっくりきません。

ハイブリッドカーならHVあるいはPHV

電気自動車ならEV

の2つで良いのではないですかね。


で、レンジエクステンダー付きEVは、

EVeRE(Electric Vehicle with Range Extender)とか。

「エヴァー」とか発音しましょうか。


言葉の表現に関してはこのくらいにして、

図2に示されるEV走行距離について。

EV購入で一番気になるのはここですね。


例えば、

日産リーフは1回のフル充電で200km走行するとのことですが、

前にも書きましたが、

本当に200km走行させるには運転テクニックが必要で、

実際には100〜150kmがいいところでしょうね。

そうなると、やはり電欠が気になります。

電欠を気にしないようにするには、

レンジエクステンダーが必要です。


電欠を気にして購入に踏み切れなくて

PHVに流れるユーザーは相当いると思います。

つまり、EVではなくEVeREのほうが需要があると思います。


三菱のアイミーブのGモデル(フル充電で100km走行)は、

補助金が出ると150万円くらいで買えます(神奈川県では)。

でも、夏場にエアコンつけるとフル充電でも

走行距離が途端に50kmに下がります。

これでは電欠がこわくて乗れませんね。

冬場のヒーターはもっとひどいそうですが...


そこで、

例えばこれに+50万円とかでレンジエクステンダーを付けて

航続距離を300km位にできれば電欠の心配もなくなり、

今以上に売れるのではないでしょうかね。


通常は50km程度の走行距離で十分だと思いますが、

何か突発的に長く走行しなければならない場合、

現状のEVでは電欠が心配で乗れませんね。

そういうユーザーの心理が

EVではなくPHVに需要を向かわせていると考えられませんか。

私も今クルマを買い替えるなら、

手ごろなEVeREがなければPHVを選びますね。


そういう意味では、BMW社の「i3」はいいですね。

これは、PHEVではなく、間違いなくEVあるいはEVeREです。

価格がいくらかが一番気になるところです。

価格次第では...(笑)

ラベル:電気自動車 EV PHEV
posted by Import-ev at 10:37| Comment(0) | その他のEV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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